Smac 山崎勇喜 BLコミック


「なに?」。

「大樹」。コクリと素直に頷くと、よしよしと柊が大樹の黒髪を撫でてくれた。言ったそばから、俺は内心激しくうろたえていた。胎児のように身体を丸めて、大きなぬくもりに包まれて微睡《まどろ》んでいられる幸せが、心を軽くしてくれる。

「五分も悩んでたくせに?」。今夜はたまたまいないのだ。「頼むからっ、そんなに俺に懐くんじゃねぇよっ」。やっぱバカだ、この男は。どのくらいそうしていたのか……さんざん唇を貪られた克也の身体は、人見の腕から解放された途端、ズルズルと床にへたり込んでしまった。「高宮さん、片付け終わったら、呑みに行きません?近くに沖縄料理の店があるけど、朝の四時までやってるから」。

顔と顔は一応離れたが、それでも距離は近くて。何て素晴らしい夜なのだろう。「あ、あぁ……じゃ、雨が止むまで、少しだけお邪魔するよ」。「もー黙れよ。スルぞ」。「もう何も言わない。おまえの好きにしていいんだ。――怒鳴って悪かった」。「おいで…」。聞き覚えのある声にゆっくりと顔を上げ、見知った顔を見止めて樋口の表情が強《こわ》ばった。

ずっと一緒にいたかった。と言って、絶対に教えてくれなかった昔の彼。

「喚くな。まだお前を買うかどうかは決めてないだろう。顔はともかく、その性格では売りモノにはならん」。だがしなかったら、何もかもが終わってしまうのだ。紫織は招待客達に向かって、うっとりするような微笑みを見せる。思った以上に飢えていたようで、口づけは貪るように激しくなり、指がパジャマの裾からもぐり込み、すべやかな背中を心地よく侵略していく。「一回くらい男と寝たって、何も変わらないよ!」。「外見はそんななのに、なんでこんなに頭がいいんだろう」。フリだけでいいと記者も言っていたのに、なにも本当にキスしなくても!「うッ……ん!」。


ボーイズラブ小説作品紹介


パリ、日本のオシャレな遠距離恋愛を楽しむエリートリーマンの真崎と倫章。休日には早朝からせっせと燃える二人だけど、パリの真崎に新しい男の影が……。真相を確かめにパリへ飛んだ倫章は、真崎とブロンド青年との甘々生活を目撃する。傷心の倫章に、驚異の美形アンリが急接近してきて。……どうなっちゃうの?ついに出ました完結編。真崎と倫章にハッピーエンドはあるのか?番外編では二人の大学生活も覗けちゃうよ。

タイトル:いつもお前といつまでも
著 者 名:綺月陣
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:オークラ出版

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